あたしが視線を向けた先。 そこに立っていたのは…あいつ。 黒崎 李斗だった。 「何で…あんたがここに?」 あたしがそう問いかけると、 「たまたま通りかかっただけだ」 そう言って、あたしの腕を掴んでいた男の手を、いとも簡単に振り払った。 すごい…。 あたしじゃびくともしなかったのに…。