★FAN★

丘の上で、仰向けとなって寝そべり、武器を横に奥と、流れる雲を目で追って笑う。


「リオン達って本当馬鹿だね。なんで手合わせでこんなに力を使うのかな〜」

「なんでだろうな。ヤンクスを見て、何故だか身体の中で燃えたんだよ」

「そぅそぅ、最初のやり合いでリオンが出来る奴ってわかった時には、身体の猛りが止まらなかったんだよ」

「そういうのは好きにしていいが…、試験に影響させるな。

失格となれば責任をとってもらうからな」

「分かってるよ、そんなへまはしないがな」





結局、リルとメイリンは見ていただけでその日を過ごした。

爆発によって、服はところどころちぎれている。やはり手加減はしているだろうが、互いに最高の技を繰り出したに見える。

帝都ベランドゥーダで別れると、リオンはヤンクスの部屋を尋ね、能力についてもう少し聞く。



「あ、そうだ。別れた後で目覚めたら危ないから言っておくな。

能力が解放したら、必ず鍵を閉めろ。下手したら力尽きて気を失い、消滅するからな」

「そうなのか…、消滅っていうのは存在が消えるということだよな?

ということは、一日の能力使用にも制限があるんだな…」


心の鍵は能力の覚醒に必須なもの。能力を扱い慣れなければ、時間は延びない。

長い人はそれでも三十分。それ以上使えば命の光は肉体を崩す。


「色々と知れたよ。ヤンクス、ありがとう」



明日は二次試験、どういう内容になるか…。




そして闇は蠢く…。