「ねぇ、捜しに行くよ」


彼女の声で我を戻すと、残ったメンバーを近いものから順に声を掛けて、四人全員が揃うと、それぞれが自己紹介をする。



「漸く全員そろったね、私はリル・レイナー、よろしく!」

「俺はリオン・ギィス、よろしくな」

「次俺な!俺はヤンクス、下は知らなくていい。これからよろしく」



金に染められた髪の毛は後ろに逆立てて、しかし和やかな表情には隠された強さが伺える。身丈ある槍は、刃が厚く切れ味も良さそうだ。



「最後にさせるなんて…、まぁいいわ。私はブラティ・メイリン。一応魔術を扱うことが出来るわ。何が使えるかは実践で楽しみにしてて」



こちらはこれまた綺麗なお姉様と云うか。全身は黒と紫を主張し、それが己の力を増幅させている。

黒く煌めく杖は闇を感じさせ、その力を魔術と呼んでいるのだろうか。

自己紹介が終わると宿に戻り、皆、試験の準備をして体力温存のために眠りに就いた。


忍び寄る闇を知らずに…。