失恋。当時の私にとって大事件だった。小学校3年生のとき好きな人ができた。初恋だった。同級生の高橋くん。手作りのチョコを持ち、勇気を出して体育館裏に呼び出した。

「…好きです。これ受けとって下さい。」

すると彼は、顔を真っ赤にしてチョコを投げすて言った。

「やめろよ。鬱陶しんだよ。」

ショックだった。大好きな人からのこの一言は結構キツイ。後に聞いた話だが、私が知らないところで噂がたっていたらしい。
それで彼は、クラスの男子からからかわれてい
たのだ。

夕方、田舎道を投げ捨てられたチョコを握って
帰っていた。顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。誰にも見られたくなかった。
ふと気づくと頭を温かく大きな手がおおった。頭を上げると近所の交番のお兄さんだった。何
も聞かずただ撫でてなだめてくれた。そして一言だけ「俺の嫁になるか?」と言って微笑みかけられた。何だろうこの温かい気持ち。そしてだんだん胸がドキドキしてきた。まさかこのときの気持ちが、ずっと続くなんて。

私の救世主が今の旦那様です。