「いやでもほら!!あきらめる必要はねぇって!好きでいようがいまいが健斗の自由だろ」
慰めなのかなんなのかそんなことを口にする蒼佑に、
「いや、さすがに彼氏持ちなのにずっと好きでいようとは思わねぇわ」
と言った。
「あー、うん。まぁそうだよ・・・・・な」
蒼佑はそうつぶやくと、
「まぁ、ほかにもいい奴いるかもしんねぇじゃん!!」
とわざと明るい声で言った。
「あぁ、そうだよなー。まぁぶっちゃけ好きだっつってもそこまで好きだったってわけじゃねえし」
笑ながら、俺もそう答える。
たかが一目惚れ。
そんなに長い期間好きだったわけじゃない。
すぐ気持ちが吹っ切れるに決まってる。
自分に言い聞かせるように、そう考える。

