Dear:大切な君へ。


「あぁ。つーか、フルネームじゃなくて、普通に健斗でいいよ」




そう言うと透は、




「えぇぇぇえ!!!あの安倍健斗さんを!!!呼び捨てにだなんて!!!そんな恐れ多いことっ!!!」




口元に手を当てニヤニヤ笑いながら、わざとらしくそう言った。




「あぁん?おちょくってんのか?」




片眉上げ半笑いで言った俺に、




「あ、じゃあさ、アベケンは?よくね?」




と、たいしたことを言ったわけじゃないのに何故かドヤ顔をしながら透は言った。




そんな透に、なんとでも呼べ、と言った時ちょうど蒼佑が教室に入ってきた。