Dear:大切な君へ。


「あ、あれだろ。見学にきたらマネージャーかわいい子がいたから入部決めたってやつ」




つり目くんにまさかの図星を当てられ、ギクッとする。




「わかるわかる。かわいいもんなー、夕美ちゃん」




うんうん、と頷きながら釣り目君はそう言った。




「あ、俺の名前は神崎透(カンザキトオル)な。透でいいよ!!で、こっちの眼鏡が、」




「眼鏡言うな」




「あだっ」




眼鏡君は透を叩いたあと、




「僕は山脇浩太(ヤマワキコウタ)。僕も浩太って呼んで」




と言った。




「あ、俺は、」




「安倍健斗だろ。知ってるっつーの」





俺の言葉を遮り、透は二カッと笑って言った。