Dear:大切な君へ。


バスケ部に入部した次の日。




「なぁー、お前昨日バスケ部に見学来てた奴だろ?てか安倍健斗だろ」




教室に入るなり、少し目のつり上がった男子が話しかけてきた。




「あー、うん。そうだけど……」



俺がそう答えると、




「ほーらなっ、俺の言った通りじゃねえか」




と言って近くにいた眼鏡に話を振った。




「え、なんでこの学校に来たの?他に強豪校あったし、特待もきたでしょ?」




眼鏡くんは、昨日蒼佑がした質問をそっくりそのまま言ってきた。




「ほんとはバスケ続けるつもりなかったんだよ」




俺は苦笑いしながらそう答える。