Dear:大切な君へ。


「ま、この入部希望の多さも夕美ちゃんのおかげよね」




ね、夕美ちゃん。




そう言って振り返った絢さん。




俺の角度からではちょうど死角になっていたから、誰に振り返ったのかわからなかった。




「いやいや、そんなことないですよっ!!私は全然・・・・・」




声のする方に少しだけ体を寄せてみると、そこには長い髪を一括りにして慌てて否定するように手を振る女子の姿が。




その姿を見た瞬間、ドクンと心臓が脈打ったのがわかった。




ぱっちりとした大きな目に、色白の肌。




蒼佑が言っていた“可愛くてスタイルのいいマネージャー”とは、この子のことだとすぐに分かった。




「えーと、じゃあ入部希望者は一人、」




「あ、あの!!やっぱり俺も・・・・・入ります」




その瞬間、隣で蒼佑がニヤっと笑ったのが見えた。