君がくれたもの



いつも通りの教室。

いつも通りの会話。


でもその中いつもと違うものがあった。


「雪乃。おはよ」


教室の入口で私に声をかける男の子。


.....春?!!

なんで?!


『あ、おはよ..。どうしたの?』



「雪乃に会いに来た。」


へ?意味がわからない。


隣でぽかんとする夏希。


私のが状況を理解できてないよ。


『え、あぁ、そうなんだっ!!』

いきなり焦り出す私。

「ぷっ。」

吹いたこの人。

失礼じゃない?


少し私がむすっとした顔をしていると、

「ごめんごめん。雪乃ちゃんが可愛くて」


またそれか...。

『からかわないで。』

春は少し笑うのをやめ、

「ごめんって。今日の放課後あいてる?」


急に何?


「デートしない?服のお詫びで」


あ...。そう言えば服汚しちゃったんだ...。

なんか断りづらくなっちゃったな。

ん~、どうせ暇だし。いっか。


『いいよ。』


そう言うと、春は少しだけ
びっくりした顔をしたが
またいつもの笑顔に戻り

「教室にいて。迎えくるから」


とだけ、言い残し自分の教室に戻っていった。


なんか、めんどくさいことになったな....。

そんなことを思っていると
隣でぽかんとしていた夏希が

「ちょっと!雪乃!あれ東城 春じゃない!」

なんて言いながら私の肩を揺らす。


『そうだね?』


「そうだね?じゃないわよ!東城くんてかっこいいくせに女嫌いで有名なのよ!!」


いや知らないし。あまり興味がない。


『そんな有名なんだ~。知らなかった。』


「はぁ..。あんたそれ知らないで関わってたなんて...。」


でも、女嫌いなら

なんで私に関わるの?

考えても考えても分からなかった。

変なやつ。


まだ興奮気味で夏希が話してるけど
全部無視することにした。


あ~あ。退屈だな...。


そう思いながらも時間はちゃんと過ぎてくもので、放課後になった。


「じゃ!邪魔しちゃ悪いから帰るわね!」

なんて夏希はそそくさと帰ってしまった。

めんどくさい。夏希とアイスでも食べて帰りたかった。