世の中こんな人もいるんだと思った。
「あの.......」
『え?あ、はい?』
急に話しかけられびっくりしてしまった。
「アイス.......」
???なに???
そう思い、ふと男の子を見ると
「あ.......。」
男の子の服にアイスがべっとりとついている。
どうしよう。
頭の中で私がこれからどうしようと
悩んでいると
「アイス、もう一個買わせて?」
へ?アイスつけちゃったの私なのに。
でも何よりアイスが好きな私は、
『.....いいの?』
と聞くと、男の子は
無表情から一気に笑顔になった。
太陽のような明るい笑顔。
「行こっか。」
そう言われ、先ほどのアイス屋さんに
2人で向かった。
なんなんだろう....。何が目的?
1人頭をフル回転させていると、
アイス屋さんに着いた。
「席とっといて?」
と言われ、私は2つ席を用意し座った。
....何してるの私。
全然知らない男の子についてくるなんて。
いやでもアイスに惹かれたのは事実だけど!
...新手のナンパか?
なんて思っていると、
「お待たせ。」
男の子が持っているトレーに乗っているのは
さっきのクッキーアンドクリームが2つ。
「ここのアイス美味しいよね。
とくにクッキーアンドクリームが。」
なんて言ってにやってする男の子。
アイス好きとしては好きな
フレーバーがかぶるのはやっぱり嬉しい
『私もクッキーアンドクリームが1番好きなの!!』
....あ。ひかれたかも。
そう思い、コホンと咳をし落ち着こうとする私
男の子をおそるおそる見てみると、
私の顔をまじまじと見つめ出したと思ったら
「ぷっ..はははは!」
なんて笑いだした。
全然意味がわからない私はきょとんとしていると、
「ごめん。雪乃ちゃんがかわいくて。」
ボンっと赤くなる顔。
『か、かかかわいい?え?てか今雪乃ちゃんて...なんで名前知ってるの?』
急に焦る私を見てまだ笑っているけど
無視して聞いてみた。
「え?逆に知らないやついるの?てか俺、雪乃ちゃんと同じ学校。」
あ、そうだったのか.....。
そしてその男の子は、
「俺、東城 春(とうじょう はる)。よろしくね。」
そう言って、春は
また太陽のような笑顔になった。
