『「「あ」」』

綺麗に声が揃った私達。微妙に気まずい空気が流れたその空気を破ったのが、

「うし、今日俺の部屋でパーティという名の夜更かしようぜ」

『…もう夜更かしというか現在進行形で夜更かししてるから』

「まあ、雪音!いいじゃん。久しぶりに私も響に大大賛成!ここは多数決で強制的に参加でーす」

にかっ、と笑った梨佳を見てやっぱり梨佳は笑顔が1番似合うなと心の中で思って理不尽だけどこんかいは、許す

『はいはい』 「はーい連行」 「れんこーうー」

響と梨佳に手を引かれながら走る。何度かつまずいて止まってと言おうと思ったけど響と梨佳の顔がまるで昔みたいに無邪気に見えて、辞めておいた。そして響の部屋“楓の間”に着いた。私の部屋より綺麗で羨ましかったのは秘密にしておこう。

「っし、布団はいちおうひいたし始めるか」

「でも何する?」

「つーか、こうやってゆっくり話す暇なんて小学校以来だよな」

「そうだねー…雪音が目も合わせてくれなくなっちゃったんだもん」

『…悪うございました』

「でも雪音変わったよ!まだ寂しい時だってあるけど」

「俺らの友情?腐れ縁?何でもいいけどこうしてまた話せて正直嬉しいよな」

梨佳が「うん!」って言って2人で笑いかけてくるから少し恥ずかしくて『そう、』としか言えない私はダメなんだろうな

「響の言う通り久しぶりに私達3人だけだし何かしたいね」

『…お揃いの何か作る、とか』

「それ、良いんじゃねぇの!あ、俺良い事考えた」

急に押し入れのを探り始めた響。数分経ってから「あった」なんて少し埃を被ってでてきた。

「これ本当は魔除けの飾りなんだけどよ、何かに付ければお揃いじゃね?」

「それならこれは?」と言って梨佳が数珠を出してきた

『それは流石にだめじゃない?』

「これねうちの家系の人が持つやつなんだ。最初は無色なんだけど着けるとその人の色に染るんだよ。2人はもう私の大事な人達だから許可しちゃう」

「おう、ありがとな」 『あ、りがとう』

大切な人、だなんて言われたの久しぶりで嬉しかった。早速みんなで着けた。響は青紫、私は淡い水色で梨佳は元々持ってたから、ちなみにオレンジ。3人でくすっと笑って

「何処に行く時もこれ着けるね」
「俺も」 『私も』

お揃いとか、大事な人とか茶番みたいで好きじゃなかった。でも本当は素直にこういうのって嬉しいんだな、って思って茶番も皆となら…って考える私はやっぱり変わったんだな、きっと。