私が連れてこられたのは広い庭だった。

「ここはね、私が昔から力の練習とか遊びとかによく使ってたの。お爺様が ここで練習していいって!で…その、稽古をつけてくれるのが・・・」

急に目の前の屋敷の屋根に現れたのが、

『・・・!黒弧さん』

「そーなの!黒弧がね、稽古つけてくれるんだって!」

「ほぉ、珍しくね?」

「五月蝿い・・・私は貴様らのためではなく、主・様・の・ためだ。己惚れるで
 ないわ」

『「「か、かわいげがない・・・」」』

弧の人はどれだけ上から目線なんだ・・・

「っっ・・・き、貴様ら・・・人が教えに来てやったのにそれがこの態度かァァァ 力の得とくの前に殺めてくれるわ!そこに直れェェェ」

長刀を振り回しながらこっちにきた黒弧さん

「「『ひ、ぎゃぁぁ』」」

「逃げるなァァァ大人しく首を出せェェェ」

「ひ、響謝って!」

「はぁ?俺の所為か?てめぇらもみちずれだぁぁぁ」

『??!@:;l。!』

「だ、だめだ、雪音がオーバーヒートしてるぅぅぅ」

「くっそぉぉぉ、すんませんでしたぁぁぁ」

結局全員捕まり正座させられた

「貴様らにはまず礼儀を教えた方がいいのか?なぁおい」

「「『ごめんなさい・・・』」」

「クックック・・・愉快だな」

「ぬ、主様!」

とたんに目が輝いた黒弧さん

「黒弧、少しは稽古を付けてやってくれ」

「お言葉ですが・・・私にあのようなのを3匹一辺にやるのは・・・」

うん。匹と聞こえたのはなかったことにしよう。

「よかろう・・・」 梨佳のお爺さんが指をならした瞬間

「「御呼びでございますか、主様」」

綺麗な金色の髪と銀色の髪をした女の人が現れた。

「金弧、銀弧 よろしくたのんだぞ」

「「御意」」

『金弧、銀弧・・・って?』

「「妖狐は皆人化できるのです。私達もこれは仮の姿ですの。普段 は狐の姿。狐車として働いているのです。」」

『あ、私は月影雪音です』

「「存知あげております。雪音様」」

「てか、ふたりはばらばらに話せないの?」

「「私達が別々の場所にいると可能ですが・・・申し訳ありません」」

「黒弧と違って礼儀ただしいのな」

「「黒弧様はわらわ達よりも階級が違うのです。申し訳ありません」」

『・・・っふふ、そんなに謝らないでください・・・』

“ふふっもう、謝らないでよ。金ちゃん、銀ちゃん。”

「「小雪、様にとても似ていらいらしゃる・・・」」

『え?ありがとうござます・・・』

2人の瞳には暖かい何かを感じた。

「「はっ申し訳ありません」」

「では、1人につき1人が着いてやれ」

「「「御意」」」


「「おねがいいたしますの、」」

「じゃ、後でねー」 「おう、生きて返れよ」

『・・・あぁ、う、うん』

「私達も行くぞ。小娘」

『は、はぃ』

「あぁ?不満か?私じゃ」

『ひっ、お願いします・・・・・・黒弧さん』

うまくやっていけるのだろうか、私は率直にそう思った。