宿った命



立ち上がり、すたすたと歩き出す紗季の体を、目の前のリーフとラックが通り抜けた。


「まさか・・・」


「修平?早くー!!」


修平は2人を見た。2人も、修平を見た。


〈や、やぁ。こんにちはー?〉


ラックが少し遠慮がちに笑って声をかけた。それを見て、リーフがラックを叱る。
そんなやり取りを黙ってみていた修平は、真剣な表情を崩せないまま返事を返した。


「お・・・おぅ」


「修平!?早くしないと遅れるよー!?」


「あぁ・・・。今行くって!!」


バスが発車出来ずに困っている運転手と目が合い、修平は慌ててバスを降りた。


学校までの道のりを、紗季が楽しそうに喋っていたが、修平は全く耳に入っていなかった。


学校が見えてくるまでの間中、修平はずっと考えていた。
あの2人は一体何なのか、と―。


そんな修平に向けられた小さな視線さえも気付かず、
修平は終始浮かない顔をしていた。


バスはゆっくりゆっくりとその場を離れる。
不思議な彼らを乗せたまま、いつものように走っていった。