バスとトラックの接触事故で、重症者2人、死亡者1人という情報が、翌日報道された。


無傷だったのは紗季ただ1人だった。






あれから数日が経ち、ラックとリーフはそれぞれ別の場所にいた。





ラックは屋上に。


そしてリーフは、あのバス停にいた。









〈だから・・・言ったじゃんか〉


フェンスに手をかけ、遠くを見つめている紗季に、ラックはそう静かに言う。




風は冷たく。空は青く広大で・・・。




積もっていた雪は少しずつ、少しずつ溶け始めていた。






〈ねぇ。ずっと聞きたかったことがあるんだ〉





「・・・・・・・」




〈紗季・・・。君の・・・・〉


ラックは胸の前に手を当てて紗季を見つめた。








〈君の・・・。修平へのその想いを、人間はなんて呼んでいるの?〉