「・・・・っし!完成」


「修平、よくそんな大きいの作ったね」


「すげぇだろ!?・・・って、紗季!!お前はまた何してんだよ!!」


修平は赤くなっていた紗季の手を見て駆け寄った。


紗季はいつの間にか手袋を外して雪をいじっていた。


「これ、作ってたの。・・・何よ。
 だって、修平だけ楽しそうだったんだもん」


紗季が作っていたのは小さな雪ウサギ。


修平は紗季の冷たくなった手を握ってそれを見た。


「作ってたら気付いたんだけどこの子、修平に似てない?」


「あ?どこがだよ。もっと強いのと似てんの。俺は!!」


「えー?似てるよー!」


自然と2人で笑い合う。


人気のないバス停には大きな雪だるまと小さな雪ウサギ。


紗季は隣にいて手を握ってくれている修平の横顔をじっと見つめていた。



〈修平が・・・っ!?〉


〈うん。多分・・・〉


〈いつ!?〉




〈・・・もうすぐだ。修平は・・・あのバスで・・・・〉


ラックが指差すその先には、修平たちが待つバスが走っていた。


〈そんな・・・。それじゃあ余りにも急すぎだ・・・〉


〈僕だってそう思う。だから、紗季は今言わないとダメなんだ・・・っ!!〉


〈何を?〉


リーフの問いかけに、ラックは答えようとはしなかった。


ただ、修平の隣で、顔を赤くしている紗季を見つめていた。






〈紗季。お願い・・・気付いてよ〉






バスが停車すると、修平とは紗季の手を引いて乗り込んだ。