出会った時から大人っぽくて、強気で、クールだったリーフが悔しそうな表情を見せて
床を睨んでいた。


修平はリーフの顔を覗き込むようにして口を開いた。


「リーフとラックは、どういう繋がりがあるんだ?」


修平の言葉に、リーフはしばらくしてからゆっくりと話し始めた。


〈妖精として生まれた俺たちはそれぞれが1人だった・・・。周りには女しかいなくて、
 誰も俺たちを思ってくれるやつはいなかった。そんな時、ラックが俺のそばにやって来たんだ―〉


リーフはその時はまだ、自分以外の誰にも信頼をおかなかった。


ラックが話しかけても、いたずらをしても、リーフは絶対に反応しなかった。


それでも、ラックは嬉しそうに笑ってリーフの後ろをついてきた。


そんなラックを見ているうちに、リーフはだんだん心を開き始めていた。


〈ラックの不思議な力を、俺はすぐに感じた。だからラックよりもすごいやつになりたくて、
 いつも自分らしくなく勝手な行動ばかりとってラックを振り回してた〉


そんな中、事件が起きた。


ラックの力に気付いた他の妖精がラックを殺そうと襲いかかってきたのだ。



〈俺は最初、見過ごそうと思ったんだ〉


内心、リーフだって妬んでいた。


こいつさえいなければ、この世界で1番なのは自分なんだ。


その思いが強すぎた。



〈だけど、出来なかった〉