「ごめん、夏紀…私、体調悪いから…その話今度聞かせてもらうわ」

杏菜ちゃんはそう言うと自分の机に顔を伏せた

『あ、うん…』

いきなり変わった杏菜ちゃんの表情…
私は何か言ってはいけないことを言ったのかと思ってしまった


「安藤さん!」

すると私の席に島崎さん達がやってきた

『あ、おはようっ』

私は島崎さん達にぺこっと頭を下げ、あいさつをした

「安藤さん昨日、サッカー部の練習付き合ってたの見たけどマネージャーにでもなったのかしら!?」

島崎さん達の表情は怒りを隠しきれてない…そんな感じだ

『ぇ、』

「龍也くん達とあんなに話してるなんて…っ」

島崎さんの後ろにいる女の子も私を睨んでいた

『あのっ私…千堂先生にマネージャーを頼まれて…仕方なく…』

私は恐る恐る言った

「はぁ!?何それ!マネージャーとかいつの間に決まってたのよ!!」

島崎さんは今にも私に掴みかかってきそうな感じだ

『えっと…』

ガラッ!!

「ねぇ!安藤っていう人、この教室?」

後ろのドアから一ノ宮くんが入ってきた
すると女子の視線は一気に一ノ宮くんに
集中した

「りゅ、龍也くんっっ!」

島崎さんは一ノ宮くんを見るなり、口に手を当て頬を赤らめていた

『一ノ宮くん』

「おぉ!いたいた!」

一ノ宮くんは私を見てパァっと顔を明るくした

『どうしたんですか?』

「今日の部活のことで話があるんだけど今大丈夫か?」

一ノ宮くんはそう言った

『あ、はい…』

私は時計を見てまだ時間には余裕があるとわかり頷いた

「お、よかった…んじゃ廊下で話そーぜ」

一ノ宮くんは廊下に出て私に手をひらひらさせた

『はいっ』

ぞくっ!

その瞬間…背筋が凍るような威圧を感じた

きっと島崎さんの視線だろう…と
私は振り向かず急いで廊下に出た

「んじゃ、今日の部活の練習のことで…」

私は頷いた