「おぃ、大丈夫か?」

ポンと肩を優しく叩かれた

『え…?』

「震えてるぞ?」

昨日シュートを決めた男の子だった…


男の子は少し微笑んだ

「千堂の奴、どーせ無理矢理頼んだんだろーけど…あんた男子苦手だろ?」

『は、はい…実は…』

私は小さくうなずいた

「そっか…見てたらわかったけど…そりゃ大変だなぁっ」

男の子は困った顔をした

『…あの』

「あっ!オレ2年の一ノ宮龍也!このサッカー部の新キャプテンな♪」

みんなが噂していた男の子…
龍也くんてこの子だったんだ…


「とりあえず部活終わったら色んな奴の自己紹介してやるよ!とりまよろしくなっ!マネージャー!」

一ノ宮くんは私の頭をくしゃっと撫でるとはにかんだ笑いをして外周を走りに行った

どきん…


(笑顔が似合う男の子だな…)

私は一瞬高鳴った胸をそっと押さえた