ハジメテノキモチ【短篇】



買った炭酸飲料を片手に公園のベンチに腰掛けて、僕は先ほどのやりとりを思い出していた。

「ねえ、最近書いてて楽しいかい?」

別れ間際に上条さんに尋ねられて

「もちろんです」

そう答えた。

小説家になりたいと思ったのはいつだったか……

それ以来がむしゃらに書いてきた。

それはもちろん書くことが好きだからで、夢だからだ。

考えるまでも無い。



――プシュ



プルタブを起こし、渇いた喉に水分を流し込む。

冷えて、程よい刺激を伴い喉を通り過ぎていく液体が、身体の火照りをなだめていくとともに少しだけだるさがとれて顔を上げた。