「バレンタインなんてものはいいから、まずは勉強をしろ」 呆れたような顔でそう言った秋斗に、ガツーンと頭を殴られたような衝撃が走った。 「…………によ」 「なんだ?」 「なによ!!別にいいじゃん!!せっかく秋斗のために頑張って作ろうと思ってたのに!!そんな言い方しなくていいじゃん!!」 私は持っていたカバンで秋斗を叩くと、秋斗は少しだけよろけた後に眉間に皺を寄せた。 わかってる。 試験がバレンタインか、本当に大事なのはどっちだって聞かれたら、試験が大事なことくらいわかってる。