「優奈は、バレンタインは秋斗に甘さ控えめのあげるんだったっけ?」 バレンタインを明日に控えた2月13日の放課後。 志乃が雑誌をパラパラめくりながらそう聞いてきた。 「あげない」 志乃の読んでいる雑誌に堂々と書かれた“バレンタイン特集”の文字を睨みながらそういうと、 「えっ、なんで!?」 と志乃が雑誌から顔をあげた。 「誰があんなやつにあげるか!」 「でも、昨日まであげるって………」 驚きと不安が入り混じった表情でそういう志乃。