「バレンタイン、何が食べたい?」




それは、バレンタインの数日前。




いつものように優希の怪我の手当をしながらそう聞く。




「いっ・・・・・。おま、グリグリ押し付けてんじゃねぇよ」




「しょうがないじゃん。ちゃんと消毒しないと悪化するかもしれないんだから」




相変わらず喧嘩の毎日で、傷がどんどん増えるばかり。




いつになったら落ち着くのやら・・・・・。




そう思っていると、




「バレンタイン、チョコじゃなくてお前でいいよ」




と優希が言った。




「・・・・・」




「・・・・・」




「あ、こんなとこも怪我して、」




「流してんじゃねぇよ」