「ね、あたしにもちょっとちょうだい」




そう言うと、ハイ、と一つ差し出した叶汰。




あたしはその差し出した生チョコではなく、叶汰の腕を取り引き寄せてキスをする。




「んー、我ながらおいしくできている」




唇を離してそう言うと、目の前には何をされたのか把握できず、ポカンとした表情の叶汰。




が、数秒後、やっと理解したのか真っ赤になっていった。




「な、何を、」




「あたしからのキスもプレゼントー♪」




そういうと、片手で口元をかくして、




「不意打ちは、反則でしょ」




と言った。




「あははっ、真っ赤真っ赤ー。耳まで赤いよ?」




「う、うるさいな」




「ホワイトデーのお返しは、叶汰からキスしてね?」




「えっ」




―草食彼氏。 完―