そして、当日。 「あっ、美帆♪」 いつもより早く来て正門の前でずっと待っていたのか、鼻の頭を赤くした拓真が立っていた。 「あんた、いつから待ってたの!?」 近づいて握った手があまりにも冷たくて、急いで自分の手袋を外して拓真に渡す。 「30分くらい前?かな。もう昨日から楽しみで眠れなくて♪一番に美帆のチョコ貰うって決めてたから」 寒さなんて気にしてない、とでもいうような感じで笑う拓真。 「ほら、早く手袋はめて」 半ば押し付けるように手袋を渡す。