私のその言葉に、秋斗はフッと優しく笑うと、



「一緒に過ごせるバレンタインが、今年だけってわけじゃない。これから何回でも一緒に過ごせるだろ」




と言った。




自然と出た“未来”の言葉に、だんだんと嬉しくなってくる。




「うん、そうだね。何回も、何十回でも過ごせるよね」




「当たり前だ」




帰るぞ。




そう言って立ち上がった秋斗に続いて、私もカバンを持って立ち上がる。




「でもさぁ、やっぱりバレンタインに彼氏にチョコ上げないのはなんか悲しいから、市販のチョコ買うくらいならいい?」




隣を歩きながらそう尋ねた私に秋斗は




「優奈からもらえるなら、別に市販だろうとなんだろうと気にしない」




と、今年一発目のデレを発揮した。




―冷血彼氏。 完―