「ほーんっと、アリスってタダ飯食らいの大食いだよね」

『俺限定にするなっ』



夕暮れの帰り道ゆっくり自転車を漕ぎながら、黒猫姿のアリスと言い合いをする。もう日常になりつつある。



恭夜からお詫びに夕食のおかずに、色々持たせてくれた。煮込みハンバーグ、バターチキンカレー、きのこのバターソテー。見事お洒落なラインナップの数々だ。



しかもしかも! これからは、困ったことがあれば協力してくれるって言ってくれたのだ。



「食費助かるなあ。節約してても正直赤字だもん」

『だから、俺の顔見て言うな!』



桜庭くんにもいいバイトないか聞いてみようかな……なんて思いつつ、ぎゃあぎゃあ騒いでる黒猫はスルーする。