光が徐々に弱まり――そこに現れたのは、きらきらした金髪の、羽が生えた少年。



「やめないか、彼女が嫌がってるだろう」



私の前にかばうように立った少年――童顔で、綺麗で……とにかく美少年だ。



今まで、一番まともかもしれない。



「変態女は俺の餌だ、天使ごときにとやかく言われる覚えはない」



誰が変態女よ! って言うか、変態はそっちでしょ!?



…………ん?今、天使って……え、天使!!?



信じられない私は思わず口を金魚のようにパクパクさせていると、少年が振り返る。



「すみません。貴方の匂いをたどり、追いかけて来たんです。まさか……吸血鬼と烏もこっちにいるとは思いませんでしたが」



考え事をする姿も様になるなあ、なんて悠長な事を考えていたら……。



「決めました」



アリスはいつの間にか黒猫の姿に戻り、和貴くんは烏の姿で丸まって寝ている。……烏の寝方じゃないよね、見た事ないけど。