何故か私の存在に気づかないため、しばらく見守る事にした。



『カニカマよこせ』



本当に、かわいいのは見た目だけね……。



カニカマをあげてる青年とそれを食べてる黒猫……はあ。



『む、少ないぞこら』



いじきたないなあ……やれやれと、青年の方へ近づけば、やっと気づいたようだった。



「やっと起きたのか? まったく、近頃の女はこれだから」



理数系の顔したメガネに言われたくないんですけど。



外見が無駄にいい残念男はさらに、信じられない事を続けた。



「今日からここに住む事になった。……家を追い出されてだな」

「聞いてないよ!?」



家を追い出されてここ!?