(キキーッ)
(ドンッ)
やだ。やだ。やだやだやだやだやだやだやだやだ…


ーハァハァハァ。
なんだ、夢か。

『おはよう☆』
『…おはよう。』
『今日の放課後空いてる?』
『え?まあ…』
『じゃあ、一緒に帰ろう』
『うん』


ーキーンコーンカーンコーン
『よし、帰ろう』
『うん』
『アイス食べて帰ろうよ♪』
『うん。いいよ』
『何にしよっかなー。俺バニラにする♪』
『じゃあ、私ストロベリーで。』
『りょーかい☆』

(ーズキッ)
え?なんだろう。一瞬何かがよぎった。見たことある。なんだろう…

『…やま、遠山!』
『…え?』
『どうした?ぼーっとして。』
『さっき、何かがよぎったの。見たことある映像。』
『もしかして、記憶?』
『…かもしれない。』
『どんな映像だった?』
『ここのアイスクリーム屋さんに家族…
女の子が1人とその両親かな?顔まではよく見えないけど。』
『そっか…その映像に覚えは?』
希は首を横に振る。
『まあ、ゆっくり思い出せばいいよ!』
『…うん。』

そういったものの、私の胸には、何かモヤモヤしたものが残っていた。