天使の贈り物 




知らなかった?


えっ?



でも……言われてみたら、
成実、お腹でてる感じしなかった。




だけど……悪阻とか、何とかって
聞くじゃん。



なんで成実、
気が付かなかったの?




頭の中では、ぐるぐると
聞きたいことが出てくるのに
いざ伝えようとすると、
言葉にならなくて。




「震災から成実も
 いろいろあったからさ。

 吐き気で気持ち悪かったのも
 ストレスで胃、壊したーっとか
 言ってたしな。

 病院に行かなかったのが、
 良かったのか、悪かったのか……かな。

 精神科でもいってりゃ、
 薬でアウトだったかもしんないし、
 他の科で妊娠が分かってたらわかってたで
 やっぱ、どうなってかわかんねぇだろ。

 堕ろせって周囲に
 言われてる可能性もあるしな。

 コイツが妊娠を自覚したのが、
 遅かったから。

 晴貴が守ってたのかもな。
 コイツを。

 成実がどれだけ馬鹿な生活しても、
 流れなかったんだからな」



そう言った煌太さんは、
成実の隣にいる赤ちゃんを、
見てるのが怖い抱き方で
抱き上げると、優しそうな眼差しで
微笑みながら、
プニプニのほっぺに触れた。




「彩巴、成実ともっと話したいと思うけど、
 アイツも少し休ませてやらないと。
 それに今日もバイトだろ。
 送ってく」



背後から声がかかって、
耳元でそう言った、そーすけさんの声に
一気に現実に引き戻された。



「うん。
 そーすけさん、有難う」



成実の傍の椅子から立ち上がると、
先に出て行こうとする、そーすけさんの後を
追いかけようと、ドアノブに手をかける。