天使の贈り物 




同じように、
ボックスカーの後部座席を開けて
私を車内に誘導すると、
ゆっくりとそのドアを閉めて、
車を走らせはじめた。




「それで、今日……
 俺たちにあってるのは、
 奏介、知ってるの?」




運転席から後ろに向けて、
少し大きな声が投げかけられる。


車内に広がる音楽は……
そーすけさんと同じようなサウンドなのに
その車の香は、
そーすけさんの車と違う。




そんなことに気が付いた時、
何処までも……
私の世界が、
そーすけさん中心になってるのに気づかされた。




「あっ、いえ。
 奏介さんには、バイトって言っちゃいました。
 実際、バイトの日なんで
 その時間にはお店に入らないと行けなくて」

「そう。
 それで……彩巴ちゃん聞きたいことって?





私が聞きたいこと?



私が知りたいのは……」
私の知らない、
そーすけさんの世界。



そーすけさんを
助けたいから……。





ううん、そんなの……
大義名分に利用してるだけってことは
私が一番知ってる。



私がこれ以上、
不安になりたくないから……。







「私の知らない、
 そーすけさんを教えて欲しいんです。

 どれだけ一緒に寄り添っても
 そーすけさんは、
 私に本音を見せてくれないから。

 そーすけさんが、語れないなら
 私は……そーすけさんの過去を知る人に
 教えて貰って、そーすけさんを理解したいって
 思ったんです」







もっともっぽい理由が
サラサラっと口から紡がれる。





「ねぇ、彩巴。
 あのバカの昔話、教えてたら
 アイツ、説得してくれる?」




ずっと黙ってた成実が、
その口をゆっくりと開く。