【現在】 二人で訪れたプレギエーラ。 あの日から、 俺の携帯の着信を告げるは 成実と煌太ばかり。 お酒と美空の時間から もがく様に、縋るように コールをする彩巴の携帯。 だけどあの日から、 彩巴の携帯が繋がることはなかった。 鳴り響くコールの後に 聞こえてくるのは、 無機質な留守番。 留守番電話を聞いては、 メッセージを残すこともなく、 通話を切断する。 彩巴の声が聴きたい……。