成実の声が、
その音の風に乗って
店内に響きだすと、
そーすけさんの腕の中で泣いてた
煌貴くんが、笑うように
歌うように笑顔を見せた。





優しさと希望が
いっぱい広がる空間。




そーすけさんも、聴いてるだけじゃ
我慢できなくなったのか、
煌貴くんを私の腕の中に託して、
そのままギターを抱えて、
自分の脳裏に浮かんだ音を
即興で重ねていく。





その音色は……
優しさだけじゃなく、
歩き出すための強さ、勇気をくれるようで
やがて、そんなそーすけさんの音色を受けて
各メンバーのアレンジも、
ドンドン進化していく。




今、この瞬間に
息吹いていくサウンド。




そんな何処までも優しい時間に
煌貴くんの、
ご機嫌な笑い声がこだましていた。