インターホンを押すと間を開けずにドアが開いた。 「百合!久しぶりー!来るなら言ってくれればよかったのに」 そこには眼鏡を掛けて、髪を無造作にポニーテールにした友人、篠原加菜がいた。 「ごめん、いきなり。携帯も金もなくて」 加菜は何それ、と目を丸くしたが直ぐに私を部屋に入れてくれた。