え?
名前を教えてくれないなんて、手がかりがないよ…
あやしい人なの?
もしかしたら、恋の神様が好きになるなって止めているのかもしれない。




恋に臆病になったあたしには、つらい試練すぎるから。




「ありがとね!」
その人はまた、去って行く。
追いかけたい、けれども、あたしの足はこれっぽっちも動かない。
石のようだった。