【翔side】
叶愛と由美が楽しくしゃべりながら教室に、入っていくのに続いて俺も教室に入った。
叶愛が由美に弱音を、吐いて由美にズバッと返されしょんぼりしてる叶愛を見て励まそうとしたが………由美が言っていることが正しいため馬鹿と言ってしまい余計しょんぼりさせちまった。
どうしようかと、考えていたが……由美が
「まぁ、いいじゃない。とにかく入学式始まるから体育館行きましょ。」
と言ったために、3人で体育館に向かった。
入学式が終わり教室に戻って、俺はすぐに席を見つけて座っていた。
叶愛の席はどこかな?と思って叶愛を探すと…
「えっーと、どこだろ?」
とか独り言を言いながらキョロキョロしていた。
ったく、あいつはどんだけ馬鹿なんだよ!とか思いつつ助けに行こうとして
「叶愛!」
と呼んだが……その声は叶愛の隣の席だと言う男子によって叶愛には届かなかった。
そのあと、叶愛は隣の席の奴と楽しそうに話していた。
隣の奴に叶愛を取られるんじゃないかと不安になりながら、若干不機嫌になった俺のもとに来た由美は
「あららぁ。隣の席の男子にやきもち妬いちゃったのかなぁ?結構かっこいいし、優しそうだから叶愛取られるんじゃないかって心配なんでしょ?」
なんて言ってきた。俺は言い返そうとしたが、由美が言った通りなので言い返す言葉が見つからず
「っ…………。」
と言葉につまってしまい、由美に笑われた。
そして、由美は笑いながら席に戻ってしまった。
うぜぇ〜。はぁ〜…初日から最悪だわ。
なーんて、考えていると後ろから
「ねーねー、君って中野翔くんっしょ?」
と言う声が聞こえた。若干不機嫌の俺は
「あぁ。そーだけど?お前……誰だ?」
すると……
「あー、俺は仲村和樹。よろしくな!」
と、言われたので俺も
「あぁ。よろしく!」
と答えておくと、和樹というやつがどんどん話しかけてきて、最初はうぜぇなぁと思っていたが意外と趣味などが合ったため楽しくしゃべっていた。
ただ、頭の片隅には叶愛と隣の奴のことがあって、叶愛が心配だった………。