「はい……」


まるでママに怒られた子供みたいだ。

オレは言われるままに服に袖を通す。

ちなみに、パンツは履いてました。

かろうじて全裸ではなかったことにホッとしたりして。


「あのさ……」


着替え終えたオレは、まだベッドの上にいる女に声をかける。


細い肩紐の、シルクみたいに光沢のあるオフホワイトのキャミソール姿。

下半身は布団に入っているため見えないが、おそらく下着姿だろう。

彼女はサイドテーブルに手を伸ばして、煙草を手に取ると、そこから一本だけ取り出した。


そして「吸う?」なんて言いたげな目をして、シガレットケースの口をオレに向ける。

オレは首を振って断った。

とてもじゃないけど、煙草なんて吸っている余裕はない。



「……オレ……したの?」


できるだけ失礼のないように、これでも言葉を選んだつもり。


彼女は一瞬目を丸くする。


「覚えてないの……?」


そして目を細めると「あんなに優しくしてくれたのに……。ふふふ……」と意味深に含み笑いをして、そのまま煙草に火をつけた。


それが全ての答えだと思った。


オレの……



オレの(下半身の)アホおおおおおおお!