――ズダダダダン


すげぇ音とともに、オレは転がり落ちた。

どこからってぇと……多分ベッドの上から。


床に転がったままキョロキョロと視線を動かす。

見慣れない天井と照明。

窓にかかっているのは花柄のカーテン。

全体的に白やピンクで統一された家具や小物類。

ドレッサーの前にはずらりと並べられた化粧道具。

どう考えてもここは女の部屋なわけで……。



この状況からさっするに、どうやらオレはとんでもないことをやらかしたらしい。



「大丈夫?」


ベッドの上から心配そうにオレを覗き込んでいるのは……ちょっとそこらへんでは見かけないぐらいの良い女。

歳はオレと同じぐらいかな。

少し低めのハスキーな声がまた色っぽい。



オレは慌てて体を起こし姿勢を正すと、まだちゃんと目覚めてくれない頭に、無理やりキーを差し込んでエンジンをかけた。


「えーと……これは」


腰まで届きそうな薄茶のストレートヘアをかきあげて女は微笑んだ。


「おはよ」