「え……雪?」


「そ。名づけて……【雪探しの旅】……なんつて」


「雪探しの旅……?」


「雪見たいって言ってたじゃん」


確かに。

あたしは前にマヒロさんにそんな話をした。

お正月も実家に帰らなかったから、雪を見ることもできなくて寂しいって。

もう一ヶ月も前に話したことをよく覚えてたなぁ……。


マヒロさんは子供みたいにワクワクした目であたしに言う。


「昨日はこっちも降ったぐらいなんだから、とりあえず兵庫の山の方でも行きゃ積もってるだろ。行き先は決めないで、雪を見つけた時点で降りるんだ。こういうのわくわくしね?」


「ぷっ……」


あたしは思わず吹き出した。

だって普段のマヒロさんとは違ってなんだか本当に子供みたいなんだもん。


でも……。


「わくわくします! そういうの大好き! 雪、探しに行きましょうよ!」



そうしてあたし達の【雪探しの旅】が始まった。