ma cherie *マシェリ*

「はぁ? 何言ってんの? 何で代わらなあかんねんっ」


「オレの休みはオレのもん。お前の休みはオレのもん」


ジャイアン的発想でわけのわからないことを言うマヒロさん。


「なんでやねん。どんな用事やねん。どうせ女とデートとか…合コンとか…合コンとか合コン…とかそんなんちゃうんか?」


「どうしても抜けられない用事なの。“オヤジのいとこの嫁の実家のおばあちゃんの法事”」


「へぇ……それは大事な用事やなぁ……って、なんでやねんっ」


「とにかく、代われ」


望月君のノリ突っ込みはむなしくかわされた。

マヒロさんは何事もなかったかのように、自分の欄に大きく【休み】と記入していく。


「出たっ。マヒロのオレ様ルール」


望月君はそこでやっと諦めたようだった。


「もう好きにして」


そう言って、床にドカッとあぐらをかいてあたし達を見上げていた。