あたしはティッシュで口元を拭う。

もう最悪。

マヒロさん、まさかあたしが部屋に泊まったなんて言わないよね?

ヘンな誤解招いちゃうよ。


あたしはドキドキしながらカーテンの向こうの会話に聞き耳を立てた。



「さすがマヒロ君やなぁ……。で、朝まではりきってたん?」


うきゃあああああ。

なんて質問してんだ、望月君ってば。

そんな話題、朝からこんなとこでしないでしょ、普通。


「いや、逆。ヤラせてくんねぇんだもん」



「ぶはっ……」


あたしはまたコーヒーをこぼす。


「大丈夫? サキちゃん。熱でもあるんちゃう? 顔真っ赤やで」


ユミコさんが心配そうにあたしの顔を覗き込む。


「だだだだだだ大丈夫ですよ。あはは」


ひーん……。

もうヤダ……。