だけど、マヒロさんの唇はいつまでも降りてこなかった。

そっと目を開けると同時に、解放されたあたしの手首。


「冗談だっつの」


マヒロさんはバサッとあたしの顔の上に毛布をかけた。


「マヒロさん……?」


「怖がらせて悪かった。もう寝ろ……」


そう言ってあたしに背を向けてしまった。


なんだ……冗談だったのか。

またからかわれたんだ……。

もうマヒロさんてわけわかんない。


もうかなり遅い時間だったし、ホッとしたせいもあって、あたしは急速に睡魔に襲われていった。


その途中またマヒロさんはブツブツ言ってたみたいだけど……。



「……ったく……なんのバツゲームだよ……。拷問かよ……」