あたしがこっちに来た理由はただ一つ。
“マシェリ”で働きたかったからだ。
高校の修学旅行でこっちにきて、たまたま入ったお店がマシェリだった。
その時に食べたケーキの味に衝撃を受けたのだ。
あまりにも感動したあたしは、お店の人に誰が作ったケーキなのか尋ねた。
すると厨房から一人の女性が出てきた。
歳は20代後半といったところ。
意思の強そうな大きな目が印象的だった。
「あの……。あたしもこんなケーキを作ってみたいです」
初対面のその女性に、あたしはいきなりそんな言葉をぶつけた。
その人はニッコリ微笑んで
「じゃ、高校卒業したらうちにおいで」
そう言った。
それがマシェリのチーフパティシエであり、あたしが最も尊敬しているユミコさんとの出会いだった。
さすがに何の技術も持たない状態で働くわけにもいかないと考えたあたしは、高校卒業と同時に大阪の製菓専門学校に入学して……
そして今に至るのだ。
「ユミコさんはあたしの憧れなんです。いつかあたしもあんな風に誰かを感動させるようなお菓子を作りたいな…って思ってて……」
気が付くとあたしは自分の夢をマヒロさんに熱く語っていた。
マヒロさんはそんなあたしの話を時折頷きながら聞いてくれていた。
“マシェリ”で働きたかったからだ。
高校の修学旅行でこっちにきて、たまたま入ったお店がマシェリだった。
その時に食べたケーキの味に衝撃を受けたのだ。
あまりにも感動したあたしは、お店の人に誰が作ったケーキなのか尋ねた。
すると厨房から一人の女性が出てきた。
歳は20代後半といったところ。
意思の強そうな大きな目が印象的だった。
「あの……。あたしもこんなケーキを作ってみたいです」
初対面のその女性に、あたしはいきなりそんな言葉をぶつけた。
その人はニッコリ微笑んで
「じゃ、高校卒業したらうちにおいで」
そう言った。
それがマシェリのチーフパティシエであり、あたしが最も尊敬しているユミコさんとの出会いだった。
さすがに何の技術も持たない状態で働くわけにもいかないと考えたあたしは、高校卒業と同時に大阪の製菓専門学校に入学して……
そして今に至るのだ。
「ユミコさんはあたしの憧れなんです。いつかあたしもあんな風に誰かを感動させるようなお菓子を作りたいな…って思ってて……」
気が付くとあたしは自分の夢をマヒロさんに熱く語っていた。
マヒロさんはそんなあたしの話を時折頷きながら聞いてくれていた。


