「それにしてもマヒロさん、いつの間に好きな人できたんだろ……」


サキはまだブツブツ呟いていた。



オレはもう一度空を見上げて、フッと白い息を吐いた。


ほんとに……鈍感なんだから。



悔しいからまだ教えないよ。


さっきキスした時にこっそり入れた、ダッフルコートのフードの中のチョコのことは……。




家に帰って、コートを脱いだ時……

キミはどんな顔するかな?

それを考えただけで、オレはワクワクするんだ。


早く気づけよ


オレの気持ちに。



そして……



オレのハートをチョコみたいに


その柔らかな唇でトロトロに溶かしてよ……。