ma cherie *マシェリ*


「はぁ? 何言って……」


「いいの。このままマヒロさんと一緒に大阪に帰る」


「あのなぁ……。そういうわけには……」


言いかけたマヒロさんの言葉をさえぎる。


「だって、まだ一緒にいたかったんだもん」


ついに、本音を言ってしまった。

単なるわがままなんだけど。



マヒロさんは「あ――」と呟いて天井を仰いで、それからフッと息を漏らして笑顔になった。


「なんなんだよ。お前のその突然沸いてくる行動力は!」


そう言って、目を細めて笑ってくれたけど。

すぐにその表情が固くなった。



「オレマジで親父さんに殺されそうなんだけど……」

なんてブツブツ言ってる。