こんな状況でも余裕たっぷりのマヒロさんが憎い。 いつもそう。 あたしは手のひらで転がされているような感じ。 それでも悔しいけど。 やっぱり好き。 好きなの。 ――ギシッ 床を踏みしめるような、そんな物音がして、あたし達は慌てて体を離した。 見ると、キッチンの入り口にお父さんが立っていた。