なのに、マヒロさんはさらに体を近づけてくる。


あたしは逃れるように後ずさり。


ついに、流し台によって、それ以上は後ろに下がれないようになってしまった。



「マヒロさん……ダメだよ……」


口では拒否してるつもりなのに。

じっと見つめられて、もう拒めない。


肩を引き寄せられて、またキス。


優しいキス。


チュッ……って

二人の唇が何度も重なり離れる……そんな音がキッチンに響く。


やがて、マヒロさんの唇があたしの首筋に触れた。


あたしの一番弱いところ。


「あ……」


体をのけぞらせて、ほんの少し声を漏らしてしまった。


慌てて、口元を覆う。


どうしよう。

お父さんもお母さんもいるのに。