「ああ。親父さんから聞いた。サキのおじいさんって金平糖を手作りしてたんだろ?」


「うん」


「まぁ、おじいさんの味には敵わないと思うけど。なんかなつかしい気分味わえるかなって思ってさ。
大人になったら、金平糖ってあんまり食わねーじゃん」


「たしかに」


あたしは金平糖を口に含んだ。


ゆっくりと溶け出して、優しい甘さが口の中に広がる。


「なつかしいな……」


なんだかおじいちゃんのことを思い出して、胸に何かがこみ上げてくる。



「マヒロさんて、なんかおじいちゃんに似てるかも」


「へ? マジで?
そういや、さっき親父さんからも同じこと言われた」



そういえばそうだったね。

お父さんもそう言ってた。

マヒロさんとおじいちゃんが似てるって。



あたしはおじいちゃんとの思い出をマヒロさんに話してきかせた。