耳元でマヒロさんの声がする。


「なぁ、ここ、触って?」



そう言ってあたしの手を取ると、自分の胸にあてた。



――トクンッ……トクンッ


ってマヒロさんの脈があたしの指に伝わる。



「すごい……。ドキドキしてるよ?」


「さっきはこんなもんじゃねーよ」


「え……」


「あの場所に戻って、サキの姿がなかったから……」


「……」


「マジで。一瞬、心臓止まるかと思った。
言っとくけど、不整脈でオレが死んだら、お前のせーだからな」


なんて冗談っぽく言ってるけど。

あたし、もうわかってる。


きっと本当に心配してくれてたんだって。

どんな想いであたしのこと探し回ってたんだろう……。